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スミ利のブログ

滋賀で文具店を営む藤井のブログ。文具のこと、仕事のこと、趣味のこと・・・色々と書いてます。

古いセーラーの万年筆

先日、近所のお客様から古いセーラー万年筆の洗浄を依頼されました。うちでは最近あまり見かけないタイプだったので写真を撮らせてもらいました。
セーラー万年筆

古いポケットタイプの万年筆ですが、私がよく見かけるもの(1970年代後半頃!?)より少し年代が古い様です。1960年代頃!?の製品なんでしょうか??? 18金製のペン先で、クリップの形状も珍しいです。何度か見たこと有ったかなー?というレベル(汗)。
セーラーのペン先  セーラー クリップ

ずっと使われていなかったそうで、洗って使えるなら一度見て欲しい・・・とのことでしたが、古いインクが固着しており、オーバーホールが必要でした。 結構、良い製品だった様でして、設計も良く、しっかりした製品というのは触っていてすぐに感じるのですが、やはり経年による樹脂系パーツの劣化がみられ、ペン先周辺のボディにクラックが入っておりました。 因みにこのペン先、すごく軟らかくて書き味も良好!

分解  鎗
最近は古い万年筆工具が役立つ機会も減りましたが、このタイプの万年筆には欠かせませんね。カートリッジに穴を開ける鎗にも金属製が装着されていました。

ペン先の裏  コネクター
ペン芯を引き抜いた後はこんな感じ。これはまあ、珍しく無いです。長年締め上げられていた為か、樹脂軸にヒビが入っていました。  金属製のコネクターには樹脂製のスリーブ?が装着されておりました(何のため???)。あまり見かけないですね。  しかし、今の万年筆と違って、コストのかかった造りだなー!と実感します。  パーツ点数が地味に多いですし、組み立てに少々時間がかかるものの、しっかり組み付けることができ、メンテナンス性にも優れている様に思います。

さて、この万年筆、書ける様にはなりましたが、やはり樹脂パーツの劣化は避けられず、一般のお客様が普通に使うにはちょっとどうかな?という感じでした。少なくとも携帯用として外でお使いになるには向いていない気がします。  一応、インク漏れの確認をしてみたところ、万年筆の実用上の気密性は保たれている様で、インク漏れはしませんでしたが、ペン先周辺のひび割れが今後気になるところです。ペン先の状態も良く、ボディも大変綺麗でしたので・・・ご自宅の机でゆったりお使いいただくのが良いかと思います(古い万年筆は、色々と労わってやる必要もあり、お使いになるかどうかはお客様次第・・・といったところですね)。   

セーラーさんの古い万年筆の場合、樹脂系パーツの劣化が致命傷になるケースが多い気がします(他メーカーでも同じことですが)。パーツ取りで何とかできるケースも在りますが、取ってきたパーツも同じ様に古い訳ですから(同世代・笑)、そうそうあてにはできません。  以前、同社でペンドクターをしておられた川口氏によると、殆ど使わなかったペンや新品のままずっと店頭に置かれたペンよりも、頻繁に使っていたペンの方が、同じ年数経過していても樹脂軸の劣化が少ないと言っておられました。 人の手から伝わる油分などがコーティングの役割を果たすのかも知れません(まあ、使用頻度が高いと、摩耗部分など他のところが傷んでくるのですが・笑)。 毎日とは言いませんが、できればちょくちょく出番を設けて書いてやるのが一番のメンテナンスと言えそうですね。



  1. 2016/11/17(木) 10:34:20|
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