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スミ利のブログ

滋賀で文具店を営む藤井のブログ。文具のこと、仕事のこと、趣味のこと・・・色々と書いてます。

卵殻(らんかく) 白への執念!

卵殻 兎
この兎さんは、蒔絵技法の一つ、卵殻(らんかく)で描かれています。因みに兎の赤い目は貝殻を薄く加工して張り付けた螺鈿(らでん)と言う技法でできています。蒔絵と言うと、金、銀、プラチナ粉を蒔きつけた絢爛豪華なものを思い浮かべますが・・・。 チタン粉、プラチナ粉・・・、今でこそ白色の顔料も実用化され、蒔絵に白い色付けをすることが可能ですが、かつて蒔絵には白を使うことができませんでした。白兎、白鷺などの動物、菊などの植物・・・白で表現したい図柄が沢山あるのに・・・当時発見され実用化されていた材料では、作った直後は白くても、時間が経つと化学反応で黒ずんでしまうものや、発色の悪いものばかり・・・。白を表現する良い素材がなかったのです。長く美しい色を保つ素材・・・白は蒔絵師たちの長年の夢だったんですね。蒔絵師たちが知恵を絞った結果編み出されたのがこの卵殻。文字通りうずらなどの卵の殻を細かく砕いて1枚1枚を漆で貼り付けていく緻密な技法。苦肉の策として生み出された卵殻技法には日本の物造りの原点を見る思いがします。
  1. 2008/01/25(金) 19:36:45|
  2. 蒔絵
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  4. | コメント:3

コメント

いいですね

毎度、いつもお世話になっております。
蒔絵の白色技術は最近確立されたのですね、知りませんでした。技術を次世代へ守り続けて行くだけが伝統ではなく、このような新たな技術の開発も行ない、そして次世代へ継承し、新たな技術ではなくいずれは、伝統技術となっていくのですね。(もうなっているかな)
やはり、このような話を聞くと、蒔絵の万年筆が欲しくなってきますね。お金貯めて、いずれは良いのを購入したいですね。
  1. 2008/01/27(日) 21:47:00 |
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  3. E隊員 #-
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>E隊員へ  Re:いいですね

卵殻は私も素晴らしい技術だと思います。恐らく作るのにも相当な技術と経験(センス)、時間が必要でしょうね。でも昔の蒔絵師たちが今の白い顔料を見たら、きっと悔しがると思います(笑)。 「あー、こんないい材料があったらこんなこともできたし、あんなこともできたのにー」って。 伝統工芸に新しい技術や素材を取り入れると、必ずそれに対して批判的な意見を言う人もいると思うんですよ、「そんな素材は伝統的じゃ無い!」って。でも実はそうじゃないと思います。代々伝統を築きあげてきた歴代の蒔絵師たちも、その時その素材があったら迷わず使っていたと思うんですよね。「蒔絵の白は卵殻じゃなきゃ!」と言ってしまうのもなんだか寂しい。今の、白い顔料が使われた蒔絵を見るとよりいっそう蒔絵に「伝統」を感じます。 素人ながら蒔絵の奥の深さに感心します。
  1. 2008/01/28(月) 16:26:13 |
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  3. スミ利文具店 藤井 #eMwruaJU
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  1. 2009/03/17(火) 22:45:48 |
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